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孫との旅行を楽しむため、高齢者が注意したいポイントとは?

私は、もともと一人旅が好きなタイプ。記念日などに夫と旅行することはありますが、ここぞというときは一人で行きたい場所に出かけるのが基本なのです。と言っても、日帰り旅行なんですけどね。

自然の中に身を置いて、ゆったり木々を眺めたり、渓谷の上を走るトロッコ列車に乗ったり……。旅は、私にとっての最高の気分転換であり、非日常を味わえる貴重な機会なのです。まあ、マイペースなところがあるので、一人旅をしているともいえるかしら?

そんな私ですが、昨年初めて息子夫婦と孫たちと一緒に沖縄を旅行しました。正直なところ、最初はかなり迷いました。もちろん、イヤだったわけではありませんし、一緒に旅行してみたいなと想像したこともありました。

ただ、体力と気力が保てるかしら? 家族単位とはいえ、団体旅行ができるかしら?という心配があったのです。自分一人なら、食事をするのもトイレに行くのも気の向くままに行動できます。ちょっと疲れたなと思ったら、誰に断ることもなくベンチに腰掛けて休憩したり、喫茶店やカフェに入ってお茶を飲んだりもできます。超マイペースで行動できるんです。

けれども、人と一緒だと自分勝手には動けませんよね。いつもの調子で黙ってトイレに行ってしまって「ばあちゃんが行方不明になった!」と大騒ぎなんてこともありえるなって。

それでも考えてみたんですよ。この先、同じ機会が何度やってくるのかなと。自分の体力や気力は、年々変化していくでしょう。特に体力は、少しずつなくなっていく可能性があるわけで……。日頃、ウォーキングはやってますけどね!

今の体力、今の気力で旅行できるのは、「今だけ」なんですよね。そう思い当たって、息子夫婦と孫たちとの旅行に参加しました。

結果は? とても楽しかったですよ! 沖縄本島は、夫との旅行で訪ねたことがあると知ってくれていたので、このときは、石垣島を中心にした八重山(やえやま)諸島をめぐるスケジュールをたててくれました。

石垣島からフェリーで15分の竹富島は、タイムスリップしたかと思うような昔ながらの赤瓦の家がたくさん残っていました。島全体がゆったりとした時間を生きているようでした。

石垣島の最北端にある玉取崎灯台、鍾乳洞、エメラルドグリーンの海がきれいな川平湾、ホテルのプライベートビーチ。八重山そばや石垣牛の焼き肉。私が大好きになったのは、もずくの天ぷらです! あと、島らっきょうもお気に入り。

1番印象的だったのが西表島(いりおもてじま)。西表島といえば、手つかずの壮大な自然が残る島。島そのものが意外に大きくてほとんどのエリアがジャングル。観光するには体力が必要なのではと感じていましたが、問題はありませんでした!

浦内川(うらうちがわ)のトレッキングツアーに参加したのですが、最も心に残る行程となりました。トレッキングツアーと言っても、小学生の孫でも歩ける行程です。

浦内川のクルーズ船から見渡せるジャングルやマングローブ、軍艦岩という場所から歩いてたどり着いた日本の滝100選にも選出されている「マリユドゥの滝」と、神の座を意味する「カンビレーの滝」。宿の方にお昼の弁当をお願いして、滝を眺めながらランチをしたのもすてきな思い出です。

これから孫との旅行の予定がある、一緒に行こうと誘われているけれど迷っているという方も多いかもしれません。私の経験から、孫との家族旅行を楽しむために注意したいポイントを紹介したいと思います。一人旅が好きな方にも参考になる部分があるかもしれません。

ゆったりとしたスケジュールを組む

高齢者が参加する家族旅行は、行程を詰め込みすぎないようにすることです。1日のうちにたくさんの場所を訪ねるのではなく、少なめの行程にしてひとつひとつの場所を丁寧に楽しむスケジュールがおすすめ。また、混雑しすぎる場所や行列に並ばなければ入れないようなところは避けるようにします。

新しめの宿やホテルを選ぶ

昔ながらの建物を利用した温泉宿などは魅力的ですが、段差が多かったり階段のみでエレベーターがなかったりすることも。宿泊先は、バリアフリーの宿やシニア・高齢者向けのサービスが充実したホテルがおすすめ。これについては、風情よりも機能優先ですね。

暑さ・寒さ対策を考えておく

天候の変化や室内と外気の温度が差があることを想定して、暑さ・寒さ対策をしておきましょう。夏であれば、帽子や日傘、エアコンが効いた室内で着るカーディガンやストールなどを忘れずに。冬であれば、携帯用カイロや耳が隠れるような温かいニットの帽子などはおすすめです。また、気候が比較的穏やかな春や秋を旅行時期に選ぶことも大切です。

雨だった場合の対策・予定を考えておく

行先によってはむずかしい場合もありますが、雨になってしまったときに、屋内で楽しめるプランを作っておけるとベストです。外に出かけられないときのために、気軽に読める本や雑誌を1~2冊持参してもいいですね。

バッグと靴を厳選する

動きやすさを重視して、バッグはななめ掛けまたは背負えるタイプのリュックに、靴は見た目よりも機能で選ぶようにします。思い切って、アウトドアブランドのバッグやリュック、靴にしてみるのもひとつの方法です。軽量で丈夫、年齢を問わずに身につけられるデザインのものがたくさんありますよ。

トイレ休憩ができる場所を探しておく

トイレは、高齢者にとってはとても大切です。トイレがある施設にまめに立ち寄れるようあらかじめ、トイレがある場所の確認をしておきましょう。

お土産は持ち歩かない

荷物を持ちながらの旅行は、身体にとっては負担です。お土産を買うときは、できるだけ1ヶ所でまとめるようにして、宅配便で自宅に送ってもらうようにしましょう。途中で宿泊先に立ち寄りいったん荷物を置いて出かけるようにする。宿やホテルに帰る直前に買うなどの工夫をして、荷物を持ち歩くことがないようにしてもいいですね。

水分補給を忘れない
適度に水分を補給することは、身体のためにはとても大切です。トイレに行きたくなるのがイヤだからと水を飲まないでいると、身体にも少なからず影響が出ることもあります。我慢しないで水分をとるようにしましょう。

薬・健康保険証を準備する
健康保険証(後期高齢保険証)やふだん飲んでいる薬、お薬手帳を準備しておきましょう。

孫との家族旅行を楽しむために、注意したいポイントを紹介しました。高齢者の旅行は、体調が最大の重要事項と言ってもいいほどです。疲れたり休憩したくなったり、トイレに行きたくなったら、遠慮せずにはっきり伝えるようにすることも大切ですよ。

「また次も一緒に旅行に行きたいな」と思える旅ができたらいいですね!

 

  • この記事を書いた人

starheart

数年前からフリーランスのライターとして仕事をしながら、アジアや沖縄を旅しています。旅先では、市場めぐりや食べ歩きを楽しんだり、自然のある場所に出かけたりすることが多いです。お菓子作りが趣味で、素朴な焼き菓子をよく作ります。生活の中でちょっとした工夫をすることも好きです。

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