ペットを飼うことが不安だった私

子どもの頃から犬好きだった私は、保護犬(飼い主のいない居場所を失った犬)が登場する映画で犬との暮らしの様子を観たり、近所を飼い主に連れられて散歩する犬の姿を見たりするたび「う、うらやましい。私も犬を飼えたらな」とモヤモヤしていました。

 

飼いたいけれど、いろいろ考えると不安のほうが大きくて。毎日の散歩、食事の世話、しつけ、避妊・去勢・ワクチン・検査の費用、病気になった時の通院、私のほうが先に病気になってしまった時は?

 

グルグル考えては「やっぱり犬を飼うって大変よね。最後まで一緒にいられる自信もないし……」とあきらめる日々。

 

新しいことに挑戦するのって勇気が必要ですし、自分以外の命を預かるのはとてつもなく大きな決断に思えて、ネガティブ面だけが浮かんでくるという状況でした。

 

変化は向こうからやってきた!

そんな私も、50代の前半から犬を飼いはじめて約10年が経ちます。NPOが主催する保護犬の譲渡会で、なにげなく手に取ったパンフレットを読んだのがきっかけでした。

 

「ペットを家に迎えるということは、家族が増えること」という考えから、保護犬の譲渡にはさまざまな条件が設けられています。ずらりと並ぶ条件を前に「やっぱりそうよね、私には無理よね」と思いながら内容を確認してみます。

 

住環境や収入、万が一自分が飼えなくなった場合に託せる人がいること、引越しの予定がないこと、室内飼いができることなど。読みすすめるうちに、譲渡の条件を満たせることに気がついたのです! 

 

むしろ先延ばしにして60歳を超えると、保護犬を迎える条件からはずれることがわかりました。(多くの場合は、60歳以下が条件となっている)「今が犬を飼い始めるタイミングなのかも!?」と気持ちが変化したのがこの時。

 

パンフレットを読んで初めて知ったのですが、保護犬は譲渡される時には、散歩、トイレ、歯磨きなどのトレーニング済みなのだそう。基本的な各種検査やワクチン、マイクロチップなど処置した上で譲渡される。このことを知ってかなり安心感を覚えたのも事実です。

 

そこからは、早かったです。申込みをして2週間のトライアル後、うちに犬がやってきたのでした!

新しい家族との暮らし

犬がうちにやってきて1番変化したことは、あたりまえですが毎日の散歩が習慣ができたこと。天候の移り変わりや季節ごとの寒さ暑さが気になっても、犬がいると散歩に出かけないわけにはいきません。

 

最低でも朝と夕方の毎日15分ずつ、合計30分間犬と一緒に歩きます。運動嫌いの私は、犬がいなければ、散歩だけを目的に毎日30分以上歩くのは無理だったでしょう。

 

正直、体調が悪いときはツライと感じることもあるけれど、私自身の健康の維持には、確実にプラスになっていると実感しています。犬を最後まで飼い続けたいという気持ちから、自分自身の健康にも気をつけるようになったので、相乗効果といえるでしょうか?

 

知らない人から声をかけられる

犬を連れて歩いていると、意外にも知らない人から声をかけられることにビックリ! こんなたとえはおかしいかもしれませんが、赤ちゃんを連れたお母さんやお父さんが声をかけられるのに似ているような気がします。

 

私たちの世代になると、新しい知り合いや友人ができる機会は徐々に少なくなりますよね。それを考えると、向こうから話しかけてもらえるなんてとても貴重なことです。犬をきっかけにして会話が進むので、初めて会った人でも話題に困ることがないのもうれしいポイントでした。

 

もちろん、散歩の途中で出会う犬の飼い主たちとの会話も楽しみ! 雑談の中で、犬との暮らしで感じた素朴な疑問やおすすめの動物病院の情報なんかも聞けてしまいます。

 

身近に触れ合える存在がいるうれしさ

犬の頭や体をなででいると犬は気持ちよさそうにしています。その姿をみていると、私もなんだか心地良いなと感じます。命のある温かい生き物がそばにいる。それだけで、言葉では言いあらわせない大きな価値をもらっているように思います。

 

言葉のやり取りこそできませんが、声をかければちゃんと答えてくれる。ペットとの交流ってやっぱり特別なものですね。

 

SNSで交流できる

インターネットのSNSで、同じ犬種を飼っている人をフォローするのが楽しみになりました。同じ犬種を飼っているだけで、新しい人間関係ができるなんてネットが発達した現代だからこそです!

 

今まさに、ペットを飼ってみたいと考えている人もいるかもしれません。最近のペット事情や高齢者がペットを飼うことについて、調べてみました!

高齢者がペットを飼う時に考えたいこと

住環境(戸建てマンションなど)や自分自身の体力、経済的な事情などを考慮します。気になるペットがあるようなら、実際に飼っている場面を想像しながら、そのペットとの暮らしをシミュレーションしてみることをおすすめします。

 

ペットといえば犬や猫が思い浮かびますが、ペットの種類も多様化しています。ハムスターなどの小動物、鳥や金魚などの小さな生き物に視野を広げてみてもいいかもしれません。

 

自分の体力などを考慮する

たとえば犬であれば、小型犬の方が体力的に飼いやすいといわれています。プードル(トイプードル)、ミニチュア・シュナウザー、シーズーなどの毛が抜けにくく小型の犬種をえらぶと、掃除などの負担が少なくできるかもしれません。

 

犬との暮らしは、基礎的な体力も必要です。動きが落ち着いている犬をえらんだり、しつけが済んでいる保護犬という選択肢も視野にいれるといいですね。

 

多様化したペットとの出合い方

ペットショップやブリーダーから購入する、知人の家に生まれた犬やネ猫を譲り受ける。保護犬(または猫)の譲渡会、保護団体のインターネット上のサイトを通じて、インターネットの里親募集掲示板など、ペットとの出合い方は多様化しています。

 

ペットを飼ってみたいと思ったら、さまざまなところから情報を得るようにしましょう。里親を募集している動物病院やクリニックもあるようですよ。

 

ペットの寿命が伸びている

医療や食生活の充実で人の寿命が伸びたように、獣医療の発達と栄養バランスの良いペットフードの効果で、犬や猫などのペットの寿命が伸びているそうです。犬の平均寿命は14.2歳、猫は15.3歳といわれていますが、長く生きた場合20年間一緒にいることも考えられます。

 

おそよ15年間。自分が年齢を重ねたときのことも想像しながら、飼うかどうかを検討してみることも必要かもしれませんね。

 

レンタルという方法もあり

賛否両論はありますが、犬や猫、小動物、小鳥などを一時的に借りられるペットレンタルを利用するのもひとつの方法です。継続して飼うのはむずかしくても、余裕のある期間だけ犬や猫と暮らしてみるのもありなのではないでしょうか。

 

シニア世代とペットとの暮らしについて紹介しました。犬や猫などのペットと触れ合うと「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」というホルモンが分泌されるのだとか。現代社会のストレスを考えると、ペットと過ごす時間が暮らしの中にあるのは幸せなことなのかもしれませんね。