生活お役立ち情報

バリアフリー対策の補助金を使いたい!申請方法は?

バリアフリー対策のためのリフォームを考えた時、国の補助金(助成)を使いたいと考えている人は多いでしょう。けれども、どのようなリフォームが補助金の対象になるのか、いつ申請すればいいのかなど、具体的なことはわからないという人もいるのではないでしょうか?

 

この記事では、バリアフリー対策のリフォームで受け取れる補助金について紹介していきます。

 

バリアフリーとは?

「バリアフリー」は、本来は建築で使われる用語です。バリアは「障壁」、フリーは「取り除く」という意味があります。生活を送る中で、障壁となるものを取り除くのがバリアフリーです。例えば、住宅玄関の段差、浴室やトイレに手すりを付けるなどです。

 

ただ、このバリアフリーという用語。近年では、物理的なバリアだけではなく、社会的、制度的、心理的なバリアを取り除くという意味でも使われることが増えています。様々な障壁を取り除くことで、高齢者や体の不自由な人だけではなく、すべての人が暮らしやすい社会目指すという意味合いが強まってきているのですね。

 

この記事で取り上げるのは、本来の意味のバリアフリー(建物や部屋の障壁を取り除く)についてとなります。

 

バリアフリー対策とは?

玄関や部屋の入り口、階段、浴室など、家の中には、様々な段差があります。入り口の扉やトイレ、寝室など、高齢者や体の不自由な人にとっては使いにくい造りのものもあります。バリアフリー対策は、そのような使いにくい部分をリフォームして使いやすくすることをいいます。

 

具体的には、以下のようなものがあります。

・玄関や部屋の入口の段差を解消する

・玄関や階段、浴室、トイレなどに手すりを取り付ける

・移動時の危険をなくすために滑り止めを施したり、材料そのものを変えたりする

・ドアを引き戸に変える

・トイレの便器を洋式に変える

・便器の向きを変えて介護時に使いやすくする

・車椅子が通れるような廊下の幅を確保する

 

バリアフリー対策のリフォームで受け取れる補助金

バリアフリー対策のリフォームで受け取れる補助金には、どのようなものがあるのでしょうか?利用しやすいのは「介護保険」の制度である「居宅介護(介護予防)住宅改修費」です。これは、要介護(要支援)認定された人が住む住宅のバリアフリー対策のリフォームに対して支払われる補助金です。条件と内容は以下の通り。

 

「居宅介護(介護予防)住宅改修費」受給の条件

・補助金受給の対象となるのは?

要支援1~2、要介護1~5に認定されている介護保険の被保険者(40歳以上)が受給の対象です。リフォームの補助金を受ける住宅が「介護保険被保険者証」の住所と同じであることが条件です。

 

被保険者が福祉施設や病院に入っていないことも条件のひとつですが、退院または退所予定がある場合は補助金受給が認められることもあります。

 

・補助金の限度額は?

補助金の支給額は、20万円が上限。リフォームにかかった工事費用のうち9割を補助金として受け取ることができます。つまり、1割の自己負担のみでリフォームができるのです。20万円を超えた分は、自己負担となります。

 

※補助金の割合は、被保険者の所得の有無と金額により決定されます。そのため、8割または7割の補助になる場合があります。その場合は自己負担も3割または2割に変わります。

 

例:トイレのドアを引き戸にした場合

工事費用が20万円で自己負担1割の場合、補助金として受け取れるのは18万円。自己負担額は2万円。

 

例:工事費用が30万円かかった場合

工事費用が30万円で自己負担1割の場合、自己負担額2万円+10万円(20万円を超えた分)を自分で負担することになります。

 

・補助金を受け取れる回数は?

被保険者1人につき改修費用20万円までが条件。20万円までなら分割でも利用することができます。

 

例:玄関に手すりをつける 5万円

  トイレと浴室に手すりをつける 15万円

※費用は参考例です。実際にかかる費用とは異なります。

 

被保険者1人につき改修費用が20万円までが条件です。けれども特例として、要介護状態が3段階以上上昇した場合や転居した場合は、さらに20万円までの改修費用が認められます。また、ひとつの住宅に被保険者が複数名いる場合は、人数分の補助金を受け取れます。この場合、同じ内容の工事を重複して行っていないことが条件になります。

 

「居宅介護(介護予防)住宅改修費」利用の注意点

「居宅介護(介護予防)住宅改修費」を利用する際に注意したいことがいくつかあります。スムーズに補助金を受け取るためにも、知っておいてください。

 

補助金の対象となる工事内容は決められている

バリアフリーのリフォームならどのようなものでも補助金が受け取れるわけではありません。対象となる工事内容は、以下の6項目です。

 

1.手すりの取り付け

玄関や廊下、階段、トイレ、浴室などの転倒防止、移動を手助けするための手すりを取り付ける工事。

 

2.段差の解消

転倒防止とスムーズや移動のために、スロープを取り付けたり段差を解消したりする工事。

 

3.床材、通路面の材料変更

転倒防止を目的に、廊下や居室の床材に滑りにくい加工を施す、または滑りにくい床材に替えるなどの工事。車椅子だと使いにくい畳をフローリングに替える場合なども含まれます。

 

4.扉の取替

開閉が困難なドアや通行の邪魔になる開き戸などを、引き戸など使いやすいものに替える工事。重くて開けにくい引き戸を、軽くて開けやすいものに替える場合も含まれます。

 

5.便器の取替

和式便器を洋式便器に交換する工事。便器の高さや向きを替える工事も含まれます。洗浄機能や暖房機能がついている便器でもかまいません。

 

6.上記5つに付随する改修工事

上記1~5の工事のために必要な付帯工事も認められます。

 

※新築や増改築工事とバリアフリーの対策のリフォームをあわせて行った場合は、対象になりません。

 

申請から受給までの流れは?

 

補助金の受け取りで注意したいのが、必ずリフォームを始める前に申請手続きをすること。事前申請をしなかった場合は、補助金の対象となりません。工事前に、市町村の介護保険担当課に出向くかケアマネージャーに相談することをおすすめします。

 

申請時には、「介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修費支給申請書」他、理由書や工事の見積書、図面、工事前の日付入りの写真、住宅改修承諾書(借家の場合)が必要です。また、工事が終了した後にも、工事完了届け、工事後の日付入、請求明細書、領収書などの提出が必要になります。

 

リフォームの費用は、一旦被保険者側が全額負担した後、支給が認められた後に給付を受け取るという手順になります。

 

今回は、介護保険の補助金について紹介していますが、地域によっては要介護認定がなくても、高齢者がいればバリアフリー対策のための補助金を受け取れる場合もあります。市町村の役所で相談してみてください。

 

バリアフリー対策のリフォームの補助金について紹介しました。バリアフリー対策でスムーズに暮らせる生活空間をつくることができれば、暮らしの中の負担を減らすことができます。快適で安全な生活のために、上手に活用していきましょう!

 

 

  • この記事を書いた人

starheart

数年前からフリーランスのライターとして仕事をしながら、アジアや沖縄を旅しています。旅先では、市場めぐりや食べ歩きを楽しんだり、自然のある場所に出かけたりすることが多いです。お菓子作りが趣味で、素朴な焼き菓子をよく作ります。生活の中でちょっとした工夫をすることも好きです。

-生活お役立ち情報