保健学博士 木下弘貴の健康アップ新常識
本日は、小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子先生をお迎えし、腸活や食物繊維についてお話を伺います。
代表取締役 木下弘貴
小林暁子先生は専門外来でこれまで15万人以上の便通の悩みと向き合い、腸内環境を整えることの大切さを患者さんに伝えられています。パートナーの小林弘幸先生は、日本で初めて大学病院の便秘外来を順天堂大学に開設された方ですね。腸内環境に注目されたきっかけは何だったのですか?
それは研修医の頃のことですね。激務が続いていて、体調が悪くなり、体力が落ちました。肌荒れもひどくなっていきました。まだ20代でしたし、スポーツをやっていたので、体力に自信もありました。それなのに、力が出ない……。そこで「自分の体にしている良くないことはなんだろう?」と問い直してみたんです。
小林暁子先生
食習慣の偏りや、おなかの調子を整えるために下剤の使用もありました。「結局、自分は腸をおろそかにしている。腸を大切にしないとダメなんだ」ということに辿りつきました。それから下剤の使用をやめ、食生活に気をつけるように。すると体調や肌荒れが改善し、さらに気持ちまでも明るくなってきました。
小林暁子先生
代表取締役 木下弘貴
「脳腸相関」という言葉があるように、腸の調子が脳の状態にも影響があるといいますね。
そうです。実は、精神をリラックスさせ、ハッピーな気持ちにする「セロトニン」という物質の95%は、脳ではなく腸で作られています。だから、便通が滞って腸内環境が悪化すると、セロトニンの分泌が低下し、気持ちも落ち込むことになる。すると、睡眠ホルモンも生成されにくくなり、睡眠の質まで落ちてしまうのです。
小林暁子先生
腸が変わると、体調も睡眠の質も良くなる。毎日が楽しく、前向きになるんです。クリニックで年配の患者さんをみていても感じますね。
小林暁子先生
代表取締役 木下弘貴
腸内環境を整えることが、からだだけでなく脳や心にもプラスに働くんですね。腸内環境を整えるうえでは、水や発酵食品とともに、食物繊維を摂ることも欠かせないですよね。
はい。食物繊維は水とともに、便を軟らかくしたり、かさを増すことで、排便を促してくれるのです。だから、継続して摂ることが大切です。
小林暁子先生
代表取締役 木下弘貴
次回は、第3の食物繊維として注目される「発酵性食物繊維」について伺います。先生、本日はありがとうございました。
小林暁子先生直伝!
おなかの調子を改善する3つの食習慣
1日1.5~2リットル水を飲む。
便通の改善にはまず水が必要です。食物繊維も、水分があってこそ効果を発揮します。
排便をサポートする食物繊維を摂る。
食物繊維が、便を軟らかくしたり、かさを増やすことで自然な排便につながります。
善玉菌をたすける発酵食品をとる。
乳酸菌を含むヨーグルトなどの発酵食品の働きで、善玉菌の働きをサポートします。
幸せホルモンが腸で作られるから、腸内環境がよくなると毎日が楽しくなるんです!
小林暁子先生 Dr Akiko Kobayashi
小林メディカルクリニック東京院長。医学博士。順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学総合診療科での経験を経て、便秘外来・内科・皮膚科・女性外来など全身の不調に対応するクリニックを開業。著書には『免疫力を上げる健美腸ルール』(講談社)などがある。