免疫学の権威である順天堂大学医学部特任教授・奥村 康先生にお越しいただき、みなさまから寄せられた健康や人生にまつわる悩み・質問に答えていただきました。楽しく健康に毎日を過ごすコツを、一緒に探っていきましょう。
健康診断で再検査になり、胃カメラの検査を受ける予定があります。こういう時こそ気楽に、奥村先生のおっしゃる「死を考えるのは死ぬ10分前でいい」なのでしょうね。しかしなかなか難しいものです……。
ヨッシーさま (68歳・男性)

代表取締役 木下弘貴
病院での再検査を待つ時は、どのような心持ちでいたらよいでしょうか。
20~30代と60代では病気の進行が違うんです。個人差はありますが病気のほうも年をとるので、高齢になってからは進行が遅い場合が多く、比較的治療がしやすいのです。ネガティブなストレスは体を守るNK細胞の働きを下げるので、心配し過ぎはおすすめしません。反対に、笑うことで活性化させることができるので、テレビや漫才を見るなど、ゲラゲラ笑う機会をつくれるといいですね。

奥村先生

代表取締役 木下弘貴
心から笑うことが難しい場合は、鏡の前で笑顔をつくってみることでも同様の効果がありますね。
兄弟が 親の遺産で 揺れ動く
友人が遺産相続問題で兄弟仲たがいをしたと聞きました。明日はわが身……争いごとは避けたく、遺産相続でもめたくないです。残す側、残される側、どうしたらいいですか。
H.Kさま (61歳・女性)

代表取締役 木下弘貴
お金や株、土地などの財産は、ご家族の方が生きているうちに、ちゃんと決めておくことが大切ですね。
そうですね。それにお金について考えることは、脳の働きにとってもいいことなんですよ。一般的に神経細胞は毎日20万ずつ減っていきますが、外から刺激を与えると神経ネットワークがつながり神経細胞を増やすことができるのです。特に読み書きとともに、お金の計算は効果的。ストレスの感じ過ぎはよくありませんが、相続も脳に刺激を与える機会と捉え、早めに取り組んでみてはいかがでしょう。

奥村先生
規則正しい生活、自炊、健康維持、アンチエイジングを心掛けています。これからも細く長くよろしくどうぞ。
M.Tさま (59歳・女性)

代表取締役 木下弘貴
積極的に活動されているのはよいことですね。私自身は、やりがいのある仕事と、スポーツなどの趣味もエイジングケアにつながっていると思います。奥村先生はいかがでしょうか。
私の場合は、研究者として、学生たちにこの仕事の魅力ややりがいを伝えながら、弟子の育成に日々取り組んでいることが活力につながっていると思います。それから男性の場合、好きな女性が周りにいるかも大切。70代以上の男性の場合、奥さんがいないと早死にしてしまうといった傾向もあるんです。ただ一方で、女性は男性がストレスの原因になることも(笑)。こればかりは難しい問題です。

奥村先生

代表取締役 木下弘貴
奥村先生、ありがとうございました。ご覧になった方からのご相談もお待ちしております。
奥村 康先生 Dr Ko Okumura
順天堂大学医学部免疫学講座教授、のちに順天堂大学医学部長就任。ベルツ賞、高松宮賞、日本医師会医学賞などを受賞。サプレッサーT細胞の発見者。臓器移植後の拒絶反応を抑える新手法を開発するなど、免疫学の国際的権威。