旅行や行事の約束が減り、気分が低調気味と感じている方も多いのでは?今回は、自宅のお風呂をストレス解消に使う方法をご紹介します。日本の家庭に備わった最も身近な健康増進装置を存分に使っていきましょう。
心のストレスに有効とされ、最近注目されているのが「マインドフルネス」。人は過去や未来に関する考えても仕方がない不安を抱えがちですが、「今、この瞬間」に集中し瞑想をすることで頭をすっきりさせる方法です。
身体に感じるストレスに有効なのは、入浴。筋肉や関節の強張りは、湯船に浸かることで血液の流れが良くなり筋肉の硬さが取れて関節を包んでいる靭帯が温められ、柔軟性が増します。
今回おすすめしたいのが心と身体のストレスを同時に解消する『マインド❝フロ❞ネス』。入浴に関する医学的研究の第一人者、早坂信哉先生による造語で、お風呂で瞑想することを指します。
マインドフロネスのやり方は、お湯の温度を40℃程度のぬるめにして照明を暗めに落とし、薄目を開けてゆっくり腹式呼吸。3秒かけて鼻から息を吸い、5秒かけて口から吐き出す。これを10〜20回繰り返し、慣れてきたら5〜10分行います。
お風呂で瞑想を行うメリットは3つ!
1. 温浴効果と浮力でリラックスしやすい。
2. 湯気の中での呼吸は、鼻やのどを守っている線毛細胞に湿気が加わり、異物を外に出す働きが高まる。つまり、免疫力が上がる。
3. 呼吸筋のトレーニングになる。誤嚥や痰を吐き出すための筋力を鍛える。
入浴は単なる日課ではなく、自宅にいながら誰もが簡単にできる心と身体の健康法です。ぜひ意識的に活用しましょう!
監修
早坂 信哉先生
東京都市大学人間科学部教授。生活習慣としての入浴法を研究する傍ら、『おうち時間を快適に過ごす入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)など多くの著書を上梓している。