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どこから書き始める?エンディングノートの優先順位

自分の人生の終わりのための活動として知られる「終活(しゅうかつ)」。終活には、

財産目録を作ったり物の整理をしたりする生前整理。医療や介護、葬儀、お墓など、自分の老後や人生の最期について考えて決めておくといった内容が含まれます。 エンディングノートは、それらの項目を一つにまとめたノートのことです。

 

このエンディングノート。実際にどれくらいの人が活用していると思いますか?平成24年(2012年)に経済産業省が発表した報告書(30~70代を対象にした調査)によると、エンディングノートについて知っている人は、全体の 63.5%。その中で、実際に作成した人は2.0%程度という結果でした。

 

ただし、年齢が高くなるほど作成の意思を持つ人は多くなる傾向があり、いずれ書こうと思っている人は50%程度いるようです。

 

エンディングノートを書くのは面倒なもの?

 

書店に行くと様々なエンディングノートが並んでいます。中を見ると、生前整理や医療、葬儀、お墓などの項目以外にも、自分史やプロフィール、好きな食べ物・嫌いな食べ物、家系図、趣味のページなどがあります。実物を手に取ると、意外にも書き込む項目が多いと感じるかもしれません。

 

そのせいか、いざ書こうと思っても「どこから書けばいいのかわからない」「どのように書けばいいのかわからない」と悩んでしまう人も多いようです。

 

実際にエンディングノートを作成したと答えた人は、家族の死去や相続などを経験している人が多いのだそう。残された情報がない中で、銀行や相続の手続きを進めることになり大変な思いをしたのかもしれません。

 

今すぐエンディングノートを完成するのは難しくても、残された家族に最低限必要なことは伝えられるようにしておきたいという人も多いのではないでしょうか?

 

この記事では、エンディングノートの中で優先して書いておきたい項目について紹介していきます。

 

エンディングノートに優先して書いておきたい項目

 

優先的に書き込みたい項目を、紹介していきます。

 

※詳細については、この記事では一部を省略しています。エンディングノートに記載された項目に従って記入していくと、漏れがないのでおすすめです。

 

1.基本情報

名前や住所、電話番号、本籍、血液型、パスポート、運転免許などの情報です。

 

2.遺言書の有無

エンディングノートの他に遺言書がある場合、種類(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)や作成日、保管場所など、必要な項目を記入します。

 

3.預貯金、株式、投資信託、不動産

どのような資産があったのかを調べるのは、残された家族にとっては意外にも大変なことです。相続手続きが必要な資産がある場合は、相続税の申告にすべての資産の提出が必要になりますし、期限が決められた手続きもあるので、まとめて記入しておくことが大切なのです。ゴルフ会員権などの資産、ネット銀行やネット証券を利用している場合も忘れずに記入しておきましょう。

 

また、いくつもの銀行口座を開いてる場合は、事前にある程度口座をまとめておく(減らしておく)ことも検討してみましょう。名義変更や相続には、戸籍謄本や印鑑証明書などの書類が必要になります。手続きも平日の銀行が空いている時間に行うことになります。口座をまとめておくことにより、残された家族の負担を減らせます。

 

※キャッシュカードの暗証番号は、流出すると危険なためエンディングノートには書かないようにしてください。

 

4.借入金やローン

借入金は、家族に知られると恥ずかしいという思いがあるかもしれません。けれども、借入金がある人が亡くなった後そのままにしておくと、支払い義務も相続人が引き継ぐことになってしまいます。相続放棄をすれば引き継ぎを放棄できますが、手続きができるのは3ヶ月まで。

 

借入金を知らずにいたため、大きな借入金を残された家族が返済し続けるという例もあります。借入金やローンがある場合は、必ず記入しておきましょう。

 

5.人に貸したお金

人にお金を貸している場合は、金額、相手の氏名、連絡先などを記入しておきます。立証資料(契約書等)の保管場所も必要です。

 

6.医療保険、生命保険

医療保険や生命保険は、夫婦であれば情報を共有する場合も多いですが、残された家族にはわからないことが多いものです。せっかく支払っていた保険を無駄にしないためにも、保険会社名、種類、契約期間などを記録しておきましょう。

 

7.年金

公的年金や個人年金、企業年金などを、種類別に記載しておきます。

 

8.クレジットカード、電子マネー

カードの種類や番号、有効期限を記入します。※パスワードの記入は、必要ありません。

 

9.パソコンやスマホの起動時のパスワード

パソコンやスマホの起動時のパスワード、またSNSなどを利用している人は、IDやパスワードを記入しておきましょう。

 

10.インターネット回線などの自動引き落とし契約

インターネット回線やプロバイダ(インターネット回線に必要になる接続事業者)、スマホの契約、有料の動画配信サービス、水の定期購入などを契約していませんか?これらの多くは、自動更新(自動引き落とし)が前提になっているものが多いため、手続きを解約するまでは料金がかかります。

 

インターネットを通じたサービスは、解約もインターネット上で簡単に行えるイメージがあるかもしれません。けれども、本人だけにしかわからない契約者番号やID、契約時に使ったメールアドレスやパスワードなどがわからないと、解約できないものが多いのです。

 

中には、本人が亡くなっているのに請求が続くという例もあるようです。解約手続きも煩雑だったり時間がかかったりするため、残された家族の負担になる例が増えてきています。

 

利用しているサービスの契約番号やID、契約時に使用したメールアドレス、電話番号、パスワードなどをまとめておけば、残された家族の負担を減らせるでしょう。

 

11.医療や介護について

服用中の薬やかかりつけの病院、アレルギー、持病、病気になった時の治療方法や終末医療、延命治療などの希望、介護が必要になった時にどこで介護を受けたいかなどを記入します。

 

12.葬儀や埋葬の希望

葬儀やお墓について希望がある場合は、希望を書いておきましょう。お墓がすでにある場合は、寺院や霊園の住所・連絡先も必要です。

 

13.友人や知人の連絡先一覧

葬儀に友人や知人を呼んでほしい場合に必要な連絡先を参列者リストとしてまとめておきましょう。

 

エンディングノートの中で優先して書いておきたい項目について紹介しました。最低限必要な項目がわかれば、エンディングノートを書くハードルが下がるかもしれません。自分自身と家族のためにも、エンディングノートを手に入れて書き始めてみてくださいね。

 

 

  • この記事を書いた人

starheart

数年前からフリーランスのライターとして仕事をしながら、アジアや沖縄を旅しています。旅先では、市場めぐりや食べ歩きを楽しんだり、自然のある場所に出かけたりすることが多いです。お菓子作りが趣味で、素朴な焼き菓子をよく作ります。生活の中でちょっとした工夫をすることも好きです。

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