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見て作って楽しめるパッチワーク!布を大切にする暮らし始めませんか?

この間、友人の家にお邪魔したときのこと。リビングの窓辺に、とてもすてきな布がかけられていました。大きさの違う白い布がパッチワークのように縫い合わされたその布は、大きめの風呂敷ほどのサイズ。薄い布を使用しているらしく光にすけてとてもきれいでした。

「これ、すごくきれいね! どこで見つけたの?」と聞いてみると、「アジアの民芸品を扱うお店で出合ったの。これは韓国のパッチワークで『ポジャギ』と呼ばれているものなのよ」と説明してくれました。

帰宅してポジャギについて調べてみたころによると……。もともとは風呂敷のようにものを包んだりカバーとして使ったりしていたようです。着古した民族衣装の布を最後まで使い切るために作るものでもあったようです。

パッチワークといえば、パッチワークキルトを思い浮かべますが、ポジャギは布と布のつなぎ方が独特で、折り重ねはぎという一方の布の縫い代をもう片方の縫い代でくるんで仕上げるようです。縫い代がどちら側にも出ない作り方なので、一重仕立てにできるのだとか。

 

ポジャギをきっかけにして、なんだかパッチワークについて調べてみたくなりました!

 

パッチワークとはどんな意味?

パッチワーク(patchwork)は、はぎれを縫い合わせることにより1枚の布を作る手芸のこと。裏布との間に綿を入れて重ね合わせるルティングの技法を使うものは、パッチワーク・キルトと呼ばれており、保温性に優れているのでベッドカバーなどにも使われています。

南国の花や植物をモチーフにしたハワイアンキルトなどは、日本でもよく目にしますよね。パッチワークの歴史は、意外にも古そうです。

 

パッチワークの技法は世界中にある

パッチワークのパッチ(patch)は、「接ぎ(つぎ)」や、「当て布」を意味する言葉ですが、はぎれを1枚の布に仕立てる技法は、昔から世界各地にあったといわれています。古代エジプトでもすでに用いられていたという説があるほど。

世界各地で自然発生的にはぎれを縫い合わせるパッチワークの技法が生まれ、中には現代に伝わっているものもあります。たとえば、インド・ベンガル地方に伝わる「カンタ」は、着古したサリー(インドの民族衣装)や日常生活で使い古した布を重ねて刺し子のような刺繍をほどこしています。

パナマ共和国の「モラ」は、動植物のモチーフを色違いの布をパッチワークで表現し刺繍をしたもの。素朴で遊び心がある絵柄が特徴です。ほかにも、パキスタンの「ラリーキルト」やネパールの「ドダウリキルト」、単色使いが特徴のフランス・プロヴァンス地方に伝わる「ブティ」、日本のアイヌの人々に伝わる木綿の生地を重ね合わせて幾何学模様を施す技法なども、パッチワークのひとつといえるかもしれません。

 

日本にもパッチワークがあった

※写真は参考画像です(百徳着物ではありません)

 

日本にも、「百徳(ひゃくとく)着物」と呼ばれるパッチワークで作られた着物が存在しました。百徳は、百軒の家々からもらった布で着物を縫うことにより、その着物を切る子供がたくさんの徳をもらい、丈夫で幸せに育つことを祈って作られたのだそうです。

色や柄、素材の違う生地を組み合わせた着物は、日本の各地に残されており、地方によっては「百接ぎ」や「百所着物」などとも呼ばれているのだとか。

そういえばうちの祖母は、藍色の木綿の生地を使って、いろいろな小物を作っていたのを覚えています。どんな小さな布でも捨てずにとっておいて、はぎれを組み合わせたのれんや座布団カバーを作っていました。祖母が作っていたものもパッチワークの1種といえるかもしれませんね。

東北などでさかんに用いられていた刺し子の技法は、長年使用して薄くなってしまった生地に糸を刺すことで、ほつれた部分を補強したり丈夫にするという意味がありました。また生地や綿を重ねて厚みを出し、防寒着としても役立つようにと考案されたようです。

 

パッチワークは、今でこそ趣味として広まっていますが、昔は生活に密着した存在だったということですよね。現代のように工業生産されるような布がなかった時代は、小さなはぎれでも貴重だったのでしょう。昔の人のつつましい精神を知ると、現代の使い捨て文化やファストファッションに慣れてしまった生活について、ちょっと考え込んでしまいますね。

 

さて、ここで自分でもパッチワークを始めてみたいという方のために、パッチワークの始め方について紹介していきます。

 

パッチワークを始めましょう

ここでは、パッチワークの基本である5cm四方の4枚の四角い布を縫い合わせた「フォーパッチ」の作り方を紹介します。

 

用意するもの

カットクロス(家にあるはぎれを活用してもOK。薄手の生地が向いています)
糸(手縫い用の糸・色は生成がおすすめ)

まち針

縫い針

厚紙

チャコペンシル(鉛筆でも良い)
アイロン

※糸は、手縫い用のものを用意してください。ミシン用だと糸がよれてしまうので縫いにくいです。

 

作り方

1.厚紙に5cmの四角を書きその線にそって切り、型紙を作ります。(仕上がりが10cm四方になるサイズ。もっと小さくしても大きくしても良い)

2.布の裏側に型紙をのせチャコペンシルで線を引く。7mmの縫い代を四方につけて布を切る。同じものを4枚用意する。

3.2枚の布を中表に合わせて、両端と真ん中にまち針を打つ。

4.最初のひと目は返し縫いをして、2mm程度の縫い目で端まで縫い、最後も返し縫いをしてたま結びで止める。残りの2枚の布も同じように縫う。それぞれ、縫い代を互い違いになるようにアイロンで押さえておく。

5.2組を中表に合わせ、両端と真ん中にまち針を打つ。両端から4と同じように縫う。

6.縫い代を片側に倒し、最後に裏側からアイロンをかければ完成。

 

そのまま額縁に入れて飾る、裏地をつけてコースターに、同じものを数組作ってはぎ合わせればランチョンマットなども作れます。

 

パッチワークの基本「フォーパッチ」の作り方を紹介しました。好きな布を切ってつなぎ合わせれば、それだけでパッチワークです。ちょっとしたすきま時間にできるのでぜひチャレンジしてみてくださいね!

 

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  • この記事を書いた人

starheart

数年前からフリーランスのライターとして仕事をしながら、アジアや沖縄を旅しています。旅先では、市場めぐりや食べ歩きを楽しんだり、自然のある場所に出かけたりすることが多いです。お菓子作りが趣味で、素朴な焼き菓子をよく作ります。生活の中でちょっとした工夫をすることも好きです。

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