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【対談】ファイトケミカルがあなたの健康を守ります~ゲスト 麻布医院院長・髙橋 弘先生~

ハーバード大学医学部内科元准教授・麻布医院院長 髙橋 弘先生(写真左)

保健学博士であり、イマジン・グローバル・ケア代表の木下弘貴が、“健康”をキーワードに各界の著名人と対談。
皆さんと一緒に、健康に暮らすためのヒントを探っていきます。

「ファイトケミカル」があなたの健康を守ります

木下 髙橋先生は「ファイトケミカル」研究の第一人者でいらっしゃいます。まず、そもそもファイトケミカルとは何か、教えていただけますか?

髙橋 植物が作る天然の機能性成分のことです。「ファイト」は「戦う」ではなく、「phyto=植物」という意味。紫外線で発生する活性酸素などから、植物が自らの身を守るために作ります。例えば、ニンジンのβ-カロテンやトマトのリコペンなどがその一つ。こうした私たちにとって身近な野菜や果物に含まれる成分が、病気に打ち克ち、健康を保つために非常に効果を発揮するのです。

木下 先生がファイトケミカルに着目されたのは何故ですか?

髙橋 免疫療法を受けた患者さんに何を食べさせたらいいのかと、ご家族に聞かれたのがきっかけです。そこで免疫力を強くし、病気に対抗する食材を探したところ、ニンジン、タマネギ、キャベツがいいことがわかりました。そこにカボチャを加え、食の細い患者さんでも食べられる野菜スープを考案して勧めたのです。すると患者さんだけでなくご家族も飲むようになり、血圧が下がったり、血糖値が下がったりといった、多くの効果が出てきたのです。

木下 ファイトケミカルの力ですね。私は先生の著書を拝読して、ファイトケミカルは熱を加えて初めて抽出されるものが多いということを知ったのですが、私が研究し発見した「ブロリコ」成分も100度以上の熱水で初めて抽出されるんですね。この一致が面白いなと思いました。

髙橋 先ほどの野菜スープには、ファイトケミカルがたっぷり含まれています。抗酸化作用やデトックス作用、免疫力を高めるほか、ダイエットやアンチエイジングも期待できます。ただファイトケミカルというのは、辛かったり、臭かったり、苦かったりする。〝良薬口に苦し〟と思ってください。

野菜スープと適度な運動、毎日続けることが大切です

木下 植物が自らの身を守るために作り出す天然の成分「ファイトケミカル」に注目され、「命の野菜スープ」を提唱される髙橋先生。そんな先生の普段の食生活について、お聞かせください。

髙橋 私が欠かさないのはファイトケミカルたっぷりの野菜スープです。これは、アメリカの国立がん研究所が体を守る作用が高いと発表した食材からニンジン、タマネギ、キャベツを選び、そこにカボチャを加えて
作ったもの。夕食は野菜スープの後に生野菜やお肉、チーズも食べますし、ワインも飲みます。ただ炭水化物はお腹が出るので(笑)、控えています。

木下 なるほど。私も夜は炭水化物をやめ、野菜をたくさん食べます。ただ私にとって夜ごはんは人生の大きな楽しみなので、好きなものを食べたいとも思っています。食べ過ぎたら朝や昼を少なくしています。

髙橋 やっぱり好きなものを食べなきゃ、生きている楽しみが減りますからね。夜食べた分、朝や昼を減らして調整したり、野菜→たんぱく質→糖質の順で食べたり、よく噛んで食べたりと、ご自身で食べ方を気を
付けるのはいいことだと思います。

木下 朝や昼の食事はどうされていますか?

髙橋 朝は前夜の残りのお刺身などをほんの少しのごはんに載せ、お茶をたっぷりかけてお茶漬けに。昼はお蕎麦が多いですね。蕎麦湯にはビタミンB群やルチンなど、蕎麦の有効成分が入っているので必ず飲みます。それからお茶もよく飲みます。

木下 日本茶ですか?

髙橋 そう、ほんとうに大量に飲んでいます。朝起きて最初は、60 ℃くらいのお湯で入れる甘みのあるお茶。甘みはテアニンというファイトケミカルの一つで気持ちを和らげてくれます。次にお湯の温度をちょっと上
げ、渋み成分のカテキンを出すように。コレステロール低減や抗がん作用などがあります。そして最後は沸騰したお湯で。クロロフィルという抗酸化作用のある成分が出るのです。

木下 温度で成分が異なるのですね。食事以外での心掛けは?

髙橋 朝はストレッチやスクワット、お昼はジムで運動をし、日曜には水泳もしています。運動をするとすっきりして頭が冴え、快適に仕事ができます。

木下 私も毎日運動していますが、ついストイックにやり込んでしまうこともあります。

髙橋 健康のことを考えると、毎日できるくらいの量の運動を毎日続けることが大切。高負荷の運動を一気に行うと活性酸素が出るのでおすすめしません。

木下 何ごとも続けることが大切なのですね。

髙橋 食も運動も毎日少しずつ、ご自身の生活の中に組み込んでいくのがよいと思います。

木下 無理なく少しずつ続けて、健康長寿を目指しましょう。本日はありがとうございました。

 

髙橋 弘先生

Dr Hiroshi Takahashi
1951年生まれ。東京慈恵医科大学卒業後、同大学院博士課程(内科学専攻)に進学、同付属病院で臨床研修。その後、ハーバード大学付属マサチューセッツ総合病院にて、フェロー、助手、助教授を経て准教授に。セレンクリニック診察部長を経て、医療法人ヴェリタス・メディカル・パートナーズ理事長、麻布医院院長に就任。日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会専門医、日本内科学会認定内科医、米国癌学会正会員。

木下弘貴

Hiroki Kinoshita
1967年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。調剤薬局を開業し、110店舗まで拡大。東京大学大学院医学系研究科修了。保健学博士。2006年イマジン・グローバル・ケア株式会社設立。

 

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