稀人ハンター川内イオの東奔西走記 連載シリーズ

夏に合わせて行きたい!箱根のパワースポット・九頭龍神社と神秘的なお祭り「湖水祭」

皆さん、こんにちは! 常識に捉われないアイデアと行動力で「世界を明るく照らす稀な人」を追いかけている、稀人ハンターの川内です。

いよいよ、本格的な夏が近づいてきましたね。読者の皆さんは、もう夏の予定は決めましたか? 我が家はいつもギリギリ進行なのでまだノープランなのですが、ひとつ、候補のエリアとイベントがあります。箱根の芦ノ湖です。いつもなかなか人が行かないような場所を好んで訪ねている僕が、なぜ、メジャーなところへ? もちろん、ちゃんと理由があります。

箱根のパワースポット・九頭龍神社

芦ノ湖には、次のような言い伝えがあります。

「芦ノ湖にはかつて、9つの頭を持つ毒龍が住み着き、村人を苦しめていた。箱根神社を開いた万巻上人がこの毒龍を鎮め、その後に、九頭龍明神として祀ったのが九頭龍神社である」

僕のお目当ては、毎年7月末に開催される「湖水祭」。今も芦ノ湖で人々を見守っているとされる、九頭龍明神を崇めるお祭りです。僕は昨秋、取材で箱根を巡ったのですが、その時に九頭龍神社と湖水祭の話を聞いて、これはぜひプライベートで訪問したい! と思い続けていました。

 

芦ノ湖のほとりの森のなかにひっそりとたたずむ九頭龍神社はここ数年、「箱根のパワースポット」として有名になり、さまざまなメディアで取り上げられています。九頭龍神社に行く方法は、3通り。車かバスで「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」に行き、そこから1.2キロ、30分ほど歩くか、駒ヶ岳ロープウェイが発着している箱根園でレンタルサイクルをして10分ほど自転車をこぐか(もちろん、箱根園から30分ほど歩いて行くこともできます)、芦ノ湖畔でモーターボートをチャーターして行くか。

決してアクセスは良くないのですが、毎月13日に開催されている月次祭には驚くほどの参拝客が集まります。その数、多い時には1000人。毎月開催している月次祭にそれだけの参拝客が来る神社は全国でも極めて珍しいそうです。

それだけの参拝客を惹きつける理由、それは「縁結び」。聞いたところによると、実は30年ほど前まで、月次祭に訪れる人は10人程度だったとか。しかしある時から、一気に人が増えました。九頭龍神社に参拝に来た著名人が結婚したり、ブレイクするという出来事が続き、それが口コミで一般人に広まったのです。

もともと参拝客が30人程度の月次祭に著名人が参加していたら、どうしても目立ちます。参拝に来ていた一般の人たちのなかで、その存在に気付く人も少なくなかったでしょう。間もなくその著名人の結婚が報じられたり、活躍が目立つようになる。それがあちこちで話題になり、次第に縁結びのパワースポットとして知られるようになったと予想されます。

神秘的なお祭り「湖水祭」

僕は取材時、箱根園で自転車を借りて(1時間500円)九頭龍神社に向かったのですが、これが最もリーズナブルで楽にいく方法だと思います。小さな坂が続くので、電動自転車がおススメ。自転車で芦ノ湖畔の道を気持ちよく走っていくと、10分ほどで「箱根九頭龍の森」の入り口に着きます。そこで入場料(大人600円、4歳から小学生300円)を支払い、森のなかへ。

僕が行った時は月次祭やほかの神事がない時だったので、ほとんど人がいなくてとても静かでした。歩道に沿って歩いて行くと、間もなく九頭龍神社に到着です。想像以上に小さな本宮で驚きましたが、人の気配のない森のなかにあるためか、境内が凛とした清浄な空気で満ちているように感じました。月次祭の時にはこの場所がどういう雰囲気になるのか、気になります。

しっかりと手を合わせ、箱根園に戻る途中、ちょうど夕日が沈む時間帯で、芦ノ湖がオレンジ色に染まっていました。その景色はとても幻想的で、しばらく眺めながら、「また来ます」と心のなかで呟きました。

そして、再訪する時には一緒に観たいと思ったのが、九頭龍明神を崇めるお祭り「湖水祭」。僕はまだこのお祭りに行ったことがなく、取材で話を聞いただけですが、こちらも神秘的なようです。

箱根神社で儀式を行った後、箱根神社の宮司と、神楽を行う楽人(がくじん)、氏子総代(九頭龍神社を信仰する人たち)が3隻の船に乗り、芦ノ湖を3周します。その後、夕闇のなか、宮司がひとり乗る御供船だけが芦ノ湖の中心に向かい、九頭龍明神へのお供物として、三升三合三勺の赤飯を納めます。その場所は秘められていて、宮司以外、誰も知りません。

この厳かな神事の後に始まるのが、約4000発の花火があがる花火大会。芦ノ湖に1000個を超える灯篭が浮かべられ、空と湖が鮮やかに彩られます。そうそう、湖水祭の花火大会は、「音」が一味違うと言われています。花火が弾ける音が周囲の山に反響して、花火の音に身を包まれているような気分になるそうです。

九頭龍神社でお参りをして心を整え、湖水祭を観た後、花火と灯篭を眺めながら、その音に身を包まれる。心と目と耳が満たされる幻想的な体験をできるのは、この日のこの場所だけ。そう思うと、足を運びたくなりますよね。

稀人ハンターの旅はまだまだ続く――。

 ACCESS

箱根神社(九頭龍神社)

神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1

TEL:0460-83-7123

http://hakonejinja.or.jp/

 

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  • この記事を書いた人

川内 イオ

1979年、千葉生まれ。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンター。新卒で入社した広告代理店を9ヶ月で退職し、03年よりフリーライターに。06年、バルセロナに移住し、ライターをしながらラテンの生活に浸る。10年に帰国後、2誌の編集部を経て再びフリーランスに。現在は稀人ハンターとして多数のメディアに寄稿するほか、イベント企画も手掛ける。 『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦 (文春新書)』 『BREAK!「今」を突き破る仕事論(双葉社)』等、著書多数。 ホームページ:http://iokawauchi.com/

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