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祭りの太鼓は100年後を意識して作られる。知られざる職人の矜持とこだわり

2021 8/05
連載シリーズ 稀人ハンター川内イオの東奔西走記


皆さん、こんにちは! 常識に捉われないアイデアと行動力で「世界を明るく照らす稀な人」を追いかけている、稀人ハンターの川内です。

夏と言えば、お祭りと盆踊り! 僕はお祭りが大好きで、盆踊りがあれば輪に加わって踊りたいタイプなので、夏が来るとワクワクが止まりません。都市で開催される現代的で大きなお祭りもいいけど、仕事で遠くの町に行った時、夕暮れにどこか遠くから「ドンドンドン! ド、ドン、ドンッ!」とリズミカルな太鼓の音が聞こえてきたりすると、それだけで胸が弾みます。

ところで、日本全国のお祭りや盆踊りを盛り上げている太鼓はどんな想いで、どう作られているのか、知っていますか? その過程や歴史を知ると、いつもと少し違う視線でお祭りを楽しめるかもしれません。

ということで、今回は文久元年(1861年)の創業時から現在に至るまで神輿、太鼓など祭礼具や雅楽器の製造・販売を手掛け、歌舞伎座にも太鼓を納めている浅草の老舗、宮本卯之助商店を訪ねた時のお話をします。

太鼓づくりは木の選別から始まる

同店では、1本の木をくり抜いて作られる長胴太鼓(ながどうだいこ)、部材を組みあわえて使う桶締太鼓(おけじめだいこ)など幅広い種類の太鼓が作られています。同社でかれこれ25年間、太鼓の製作に携わってきた熟練の職人、山下さんから話を聞いて驚いたのは、太鼓づくりは木を選ぶところから始まるということ。

「この間も、新潟まで丸太を選びに行きましたよ。木はまず、切られた時期が重要でね。日本の場合、12月の終わりから2月の半ばまでの、木が休んでいるときに切られたものを使います。春先以降の水を吸い上げ始めた時期に切った木で太鼓を作ろうとすると、たくさん水を含んでいるので割れちゃうんですよ」

面が1尺8寸の長胴太鼓

職人の厳しい目で選別された原木は、「荒胴」(あらどう)という太鼓の原型の形に整形された後、3年から5年、倉庫で寝かせて自然乾燥。注文が入ると、ストックのなかから太鼓の用途や打面のサイズに合ったものを選びます。

例えば、取材時に製作していた1尺8寸(約54.5センチ)の長胴太鼓には樹齢150年から200年のケヤキが使われていました。ケヤキは丈夫で木目も美しく太鼓には最適だとか。山下さんはこれまでに、長胴太鼓は打面が5尺(約151.5センチ)、桶締太鼓は打面が7尺(約212センチ)の太鼓を作ったことがあるそうです。デカい!

手作業でミリ単位の調整

指先だけでミリ単位の調節

注文に合わせた木材を選んだら、太鼓の製作がスタート。荒胴に整形された木材は、職人の手によって太鼓に生まれ変わります。

「いまは、(サンド)ペーパーで仕上げるところが多いのですが、うちはカンナを使います。木材は年輪の部分が一番柔らかいのですが、ペーパーで仕上げるとそこがどうしても沈んでしまう。木目もささくれ立ってしまうから、そこから水を吸って耐久性が落ちるんです。カンナは刃物だから平らになるので、木目が寝ます。それが大切なんですよ」

山下さんに許可を得て、カンナをかけたところを触らせてもらったら、ツルッツル! 太鼓の曲面に沿ってカンナを操り、ここまで滑らかに仕上げるのはまさに職人技です。木がまっすぐならカンナをまっすぐ引けばいいけど、太鼓は婉曲しているので自分の手の感覚でミリ単位の調整をする必要があり、「まったくの素人から始めたとしたら、5年やってもうまくできないでしょうね」(山下さん)。

経験を積むごとに増えるカンナ

新人の頃は2つ、3つのカンナを使って小さい太鼓を削り、研鑽を積みます。それから少しずつ、大きな太鼓を手掛けるように。太鼓の大きさやオーダーによって使うカンナが違うため、ベテランの山下さんは、ひとりで50以上のカンナを使い分けると聞いて、仰天しました。

削りの作業が終わると、木が水を吸い上げるための小さな穴(導管)を埋める目的で、「砥の粉(とのこ)」(砥石を切り出した時に出る粉や、粘土を焼いて粉にしたもの)で木地(きじ)をコーティング。さらに4、5回和ニスを塗って乾燥を防ぎます。

太鼓の皮にも、知られざるこだわりが。

「牛の皮を使っていますが、毛を抜くときに薬品に漬け込むのではなく、昔ながらの糠を使った天然加工をしています。そのために適度な油分が皮に残り、豊かな響きがします」(広報さん)

木の樹齢と同じだけ使える太鼓に

昔ながらの天然加工を施した牛皮

木を選び、数年乾燥させて、カンナで削る。昔ながらの天然加工を施した牛皮を張る。こうした伝統的な手法で手間暇をかけて作るのは、単なるこだわりではありません。繊細な気遣いによって太鼓の音が深まり、寿命が延びるのです。

「使用状況によっても変わりますが、木の樹齢と同じだけ楽器としても使用できると言われています」と山下さん。

創業160年の宮本卯之助商店に修理などで持ち込まれる太鼓には、100年以上前に同店で作られたものもあるそうです。

かつては太鼓が出来上がると、太鼓に名前を記した焼きごてを押していました。いまは胴の内側に製作者の名前を記しますが、どちらにしてもいつ誰が作ったものだかわかります。だから、山下さんをはじめ職人さんはみな、「何百年後の人が見ても笑われないような太鼓を作ろう」という想いで仕事をしているのです。

お祭りの日は、太鼓の職人さんたちにとっても晴れ舞台。祭りを楽しむ人たちと同じように、自分たちが精魂込めて作った太鼓の音に胸を躍らせているのです。

稀人ハンターの旅はまだまだ続く――。

※この取材は2017年に行ったものです。

 

 

 

 

 

宮本卯之助商店

〒111-0032 東京都台東区浅草6-1-15
Tel : 03-3873-4155

営業時間午前9時~午後5時(定休日:土、日、祭日)

<オンラインショップ>

https://www.miyamoto-unosuke.co.jp/

 

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この記事を書いた人

川内 イオのアバター 川内 イオ

1979年、千葉生まれ。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンター。新卒で入社した広告代理店を9ヶ月で退職し、03年よりフリーライターに。06年、バルセロナに移住し、ライターをしながらラテンの生活に浸る。10年に帰国後、2誌の編集部を経て再びフリーランスに。現在は稀人ハンターとして多数のメディアに寄稿するほか、イベント企画も手掛ける。
『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦 (文春新書)』
『BREAK!「今」を突き破る仕事論(双葉社)』等、著書多数。
ホームページ:http://iokawauchi.com/

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